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例えもうこれ以上歩けないと思い詰めて、ぶっ倒れても、なんだかんだ細々と伸び続けるような強かさを持ってるのが、人間て生き物だと思う。
わたしは昔から、どうにもならなくなると一人で酒と柿の種買って引きこもる。
酔っ払って寝るはずなんだけど、今日まったく酔わない。
今日だろ、酔うとこ。
こんな風に一人で切なさを処理することに、いつから慣れたんだろ。
寂しいって泣きつけない相手を思うのって、この歳になるともはや無謀だ。
無謀でもどうにもならない。相手の不条理を暗黙の了解でのみ込める年齢になってしまったんだから、可愛げもクソもあったもんじゃない。
そもそも泣きつく事自体、無理な性格なんだった。
どうか、私の思う相手が、幸せでありますように。
少し泣いても、強かに前を向いて、嬉しそうに笑っていますように。
出会ってから今まで、そうに思い続けてきた。
思い続けてきて、どうかこの人に幸せをって願ってきて。
いまさら私は、自由を奪う存在に成り代わるつもりなんだろうか。
それなのに、少しでも側にいたいと思うんだから矛盾してる。
あー。
寝よ。